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土地の有効利用は明渡しの正当事由になるのだろうか

Q.私は青山にある所有地にビルを所有し、五戸を事務所として賃貸しています。最近、この一帯が高度再開発されることになり、私のところも例外ではなくなりました。そこで私も、あるデベロッパーと共同で、土地の有効利用のために再開発をしたいと考えています。問題なのは、事務所として使用している賃借人に明渡しを求めていますが、このような土地の有効利用を理由の契約解約ないしは更新拒絶に正当事由が認められるでしょうか。
A.借家法、借地借家法では、賃貸人の自己使用や、その他正当事由がある場合には、賃借人に対して、賃貸家屋の契約解除、または期間満了の際、その六か月以前に更新拒絶をすることが認められています。
この場合の正当事由の有無の判断は、賃貸人が、自己使用の必要性があるだけでは足りず、賃借人の当該家屋の必要性との比較において、賃貸人に相当性がある場合でなければ、容易に正当事由は認められないというのが、これまでの一貫した裁判所の態度です。
ところが、賃貸人が、このような事由に加えて、賃借人に対し、いわゆる立退き料等の金銭給付を加えることによって、賃貸人の主張する正当事由が補完されるという考え方が判例により打ち出され、それが一般的になりました。
では、どんな場合もそうかといえば、賃貸借の目的家屋が、賃借人の居住用であるとか、生業としてのものである場合、単純に金銭給付を申し出ても、必ずしも正当事由を補完するとは限らないというのが、裁判所の姿勢です。
さらに、平成四年八月一日から施行された借地借家法二八条によると、いわゆる立退き料の提供は、正当事由の有無の判断事由の一つとなっています。
では、純営業用を目的とした賃貸借契約はどうでしょうか。基本的な態度では差異はないと思いますが、賃貸人の所有する土地の高度再開発を理由とするような場合で、立退き料の額が相当高額であるような場合には、正当事由として認める方向にあるといってよいでしょう。たとえば、会社等が事業拡張のためにビルを新設する目的で家屋の明渡しを求めたケースで、それ自体はもっともな事由であるが、賃借人は他に移転して現在の店舗のような格好な場所が見出せないといった事情がある場合には、無条件に明渡しの正当事由を認めることはできないが、立退き料五〇〇万円の支払いによって、正当事由が補完されるとした判決が出ています。
賃貸人が高度再開発を目的としている場合、賃貸人の必要性が賃借人のそれより劣る場合であっても、かなり高い立退料を支払うことによって、正当事由が認められるケースが出てきています。高度再開発は、有利なファクターとなっているといえるでしょう。
なお、高裁の判例ですが、貸主の申し出た立退料の額を超えた金額を裁判所が示し、その支払いと引換えに明渡請求を認めているケースもあります。また、土地の値上がりを反映して、かなり高額の立退料の支払いを命じた判決もあります。
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