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明渡しを求めたら借家人過大な要求をしてきた場合

Q.私は古い木造二階建てのアパートを持っています。このアパートが老朽化したので新しく建てかえたいと思っています。ところが五年前に契約した入居者一人だけが明渡しをしてくれません。どうしても出て行けというなら、明渡しの条件として同程度の引越し先を私の方で探し、引越し料を支払い、しかも家賃が現在より高ければ二年間は家賃の差額を支払えと言っています。これは借家権の乱用ではないかと思いますがどうでしょうか。
A.五年前の契約ということですので借家人は借家法によって保護されています。したがって、借家人の明渡しを求めるには、賃料不払いなどの契約違反の場合は別として、借家法は「建物の賃借人がみずから使用することを必要とする場合、その他正当の事由ある場合でなければ、賃貸借の更新を拒んだり、あるいは解約の申入れをなすことを得ず」と規定しています。
そこで問題になるのが「正当事由」ということですが、いったい何が「正当事由」に該当するのかが重大な問題で、今までにも判例は具体的場合に応じて、正当の事由の有無について判断してきましたが、要するに正当の事由の存在のみが借家人に明け渡させうるものといえます。
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このように正当事由の判断については、家主側の事情を判断しますが、家主側だけでなく借家人側の事情も判断し、その必要性も相互に比較した上で公平に判断がなされます。
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なお、新しい借地借家法二八条は、この判断事由を明文化しています。
しかし、一般的にみて建物自体が古いので、取り壊して改築するため、現在住んでいる借家人に明渡しを求める場合には、放置しておくと危険であると認められる場合に、解約の正当事由になるといわれています。
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このような場合、アパートの老朽化の程度、建物の所在地また借家人の家族関係、資力の程度、職業等が明白でないのではっきりしたことは言えませんが、借家人が出した条件のうち、家賃の差額分を二年間支払えというのは、過度な要求なように思えます。
いずれにしても、話合いがつかない場合は調停・訴訟をしなければなりませんから、その時間と費用を考えて、相手の出した条件をどの程度受け入れるか判断することが必要です。建物の明渡しについて話合いがつかなければ、裁判所に建物明渡しの調停を申し立て、第三者で同時に経験豊かな調停委員の意見を参考にして、お互いに歩みより、妥当な解決方法を見出すのがよいと思われます。それでも解決できなければ訴訟を起こすしかありません。
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