家屋の明渡しを請求できるのはどんな場合かみていこう
Q.貸した家の明渡しを請求できる場合がいろいろとあるというように聞いていますが、明渡しの請求が認められる条件や手続きは、どのようなものがあるか教えてください。
A.明渡しを求めることができるのは、次の三つの場合です。
1.正当の事由による解約
家屋を賃貸するには期限を定める場合と定めない場合とがあります。
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期限を定めない賃貸契約では、貸主に家屋を明け渡してもらわねばならない「正当の事由」がある場合には、いつでも解約の申入れをすることができることになっています(借地借家法二八条、借家法一条の二)。
2.契約更新拒絶
借家契約に期限があるときは、少なくともその期間だけは住んでいる権利を有しますから、貸主がいかに明け渡してもらいたいと思っても、明け渡してもらうわけにはいきません。その時は、期限が来るまで待たなければならないのです。しかし期限が定めてあるから、期限さえくれば当然に明け渡してくれるかというとそうでもありません。
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たとえば五年間貸すという約束をして、五年経ったとします。その際に、約束の五年は過ぎたのだから、出ていってくれといってもダメです。
期限が来たときに空けわたしてもらうためには、期限の来る前、半年から一年までの間に「期限後はもう貸しません」という通知(契約更新拒絶の通知)をしなければなりません。この通知をして初めて契約は期限に至って終了することになります。もっとも、契約更新の拒絶は更新の拒絶をする「正当の事由」がなければならず、解約申入れの正当事由と同じものと解します。
さらに更新拒絶の通知をしたにもかかわらず、期限後もなお継続して借主が住んでいる場合には、さらに追い討ちをかけて異議を申し述べないといけません。更新拒絶の通知をしなかったとき、通知しても異議を述べなかったときは、契約は期限が来てもさらに前と同じ条件で繰り返されることになります。これを法定更新といいます。
結論としていうと、期限の定めのある契約では、期間の終了する六か月前から一年前までの間に借主宛に、正当の事由に基づいて、更新拒絶の意思を表示し、それでもなお立ち退かないときは異議を述べて初めて明渡しを求め得るのです。
なお、新しい借地借家法では、期限付建物賃貸借という制度を認めており、この場合にかぎっては、正当事由の有無に関係なく明渡しを求めることができるとされています。
すなわち、賃貸人が、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物を一定の期間自己の生活の本拠として使用することが困難であり、その期間の経過後はその本拠として使用することが明らかな場合において、建物の賃貸借をするときは、その一定期間を確定して建物の賃貸借の期間とする場合に限り、契約の更新がない賃貸契約を締結することができます(借地借家法三八条)。もっとも、このような内容の契約を締結する場合には、やむを得ない事情を記載した書面によってなされることが法律上要求されていますから注意してください。
3.契約を解除できる場合
賃貸借契約は双方契約といって、貸主と借主とが双方共に債権債務を負担します。貸主は契約の趣旨に従って、賃貸目的物である家を使用させる義務を負い、借主はこれに対して家賃を支払う義務を負担するほか、いろいろな義務を負います。
ところが、家賃を支払わないとか、故意に借りてる家を壊したとか、あるいは貸主に無断で転貸したという場合には、借主は賃貸借契約上の義務に違反したことになり、貸主は契約を解除できることになっています。
そして、解除というのは期間のある賃貸借契約
であるかどうかにかかわらず、しかも即時に効力を生じます。
これは借主の方が悪い場合のだから、借主より貸主を保護すべきだということで即時効力を生じさせてもかまわないわけです。
解除する際は、解除の理由と解除する旨の通知をすればよいのですが、賃料の不払いの場合などは、解除に先立って賃料を支払えという催告を必要とし、相当の猶予期限としては五日ないし一週間あればよいとされています。

