一方的な家主の解約請求に対抗できるか
Q.家主から内容証明郵便によって、都合によって賃貸借契約を解約したいから明け渡してもらいたいといってきましたが、こんな一方的な内容証明を納得することはできません。何とかこの要求をはねつけたいのですが、一体、家主はどんなときに解除できるのでしょうか。
A.契約の解除は、将来に向かって賃貸契約によって生じた借家権を消滅させる申入れをいいます。一般には「解除」といっていますが、解約とは法律的に区別されています。「解除」
というのは、本来契約の効力を、その契約成立のときに遡らせて消滅させることですが、賃貸契約のように。断続していく関係では、将来に向かってのみ契約の効力を消滅させるにすぎないわけです。(民法六二〇条)
では、どんな場合に、家主は契約を解除することができるのでしょうか。
1.民法では、一般に賃貸借の期間を定めなかったとき(民法六一七条)、期間を定めてあっても、解約する権利を留保してあるとき(同六一八条)、賃借人が破産宣告を受けたとき(同六二一条)、となっています。
2.家主の借家人に対する解約の申入れには、正当の事由がなければならないと規定した借地借家法、借家法がありますから、家主はみだりに解約することはできません(借地借家法二八条、借家法一条ノ二)。
解約の申入れがあると、いつ契約が終了し、明渡し義務が発生するのでしょうか。民法六一七条一項二号によると、「建物については三か月」と規定しています。いかし、借地借家法、借家法は、解約の申入れから6ヵ月経って初めて効力を生ずる旨を規定していますから(借地借家法二七条、借家法三条)、一般の借家関係では、解約申入れから6ヵ月経って初めて効力を生ずると理解しておいておいでしょう。
Q.家主の息子が結婚したので住まわせたいからといって、借家契約を解除するといってきました。ところが、その2ヵ月ほど経った頃、家主は近所に家を買い、そこに息子夫婦が越してきました。このようなときにも契約は解除されるのでしょうか。
牛角
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A借家契約を解約するためには、家主に「正当の事由」がなければならないことはすでに説明しました。この「正当の事由」は、解約の申入れをするとくにあればよいのか、また6ヵ月経過するまでなければならないのかが、法律上問題とされます。
質問では、家主の息子夫妻を住まわせるために、借家人に対して契約を解約してきたのですが、その後、別の家に息子夫婦が越してきたのですから、解約の申入れから6ヵ月を経過するまでに、明渡しを求める事由が消滅したことになるわけです。判例は、このような場合、解約の効力は生じない、としているようですから、「正当の事由」は単に解約の際、存在するだけでは足りず、6ヶ月間存在していることが必要だという結論になります。
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